
音声入力アプリを選ぶとき、多くの人が最初に気にするのは「無料で使えるか」「精度は実用レベルか」「PCへの負荷はどれくらいか」の3点だと思います。筆者はAIのプロンプト入力などでキーボード入力の代わりに音声入力を使う機会が増えました。
そんな中で見つけたのが、オープンソースで完全無料で使える音声入力アプリ「Amical」です。外部にデータを送信せずローカルで完結するWhisperモデルが特徴です。有料プランではクラウドモデル(Amical Cloud)が無制限で使えるようになり、Whisperモデルよりも高速かつ文脈を踏まえた自然な言葉に変換をしてくれました。本記事では、Amicalの概要・料金・インストール手順を整理したうえで、同じ文章をWhisperの各モデルとAmical Cloudに読み上げさせて精度と速度を比較した結果をまとめます。
Amicalは、AIを使って音声をテキストに変換するオープンソースのAI音声入力(ディクテーション)アプリです。オープンソースで開発されており、Mac・Windows・iOS・Android向けの展開されています。
Amical turns your voice into polished text with AI — open-source dictation for Mac, Windows, iOS & Android. Fast, accurate, context-aware, and private.
🎙️ AI Dictation App - Open Source and Local-first ⚡ Type 3x faster, no keyboard needed. 🆓 Powered by open source models, works offline, fast and accurate. - amicalhq/amical
Amicalの主な特徴は以下のとおりです。
Amicalアプリの「Settings → AI Models」では、「Speech(音声認識)」と「Language(整形・言い換え)」の2つのタブでモデルを設定します。
ローカルで動くWhisperの各バリエーションと、クラウドで動くAmical Cloudを選択できます。ローカルモデルはOpenAIのオープンソース音声認識モデルで、サイズが大きいほど高精度・低速になる傾向があります。
| モデル | 速度 | 精度 | ダウンロードサイズ | 実行場所 |
|---|---|---|---|---|
| Whisper Tiny | ★★★★★(5/5) | ★★☆☆☆(2.5/5) | 約78MB | ローカル(自分のPC) |
| Whisper Base | ★★★★☆(4/5) | ★★★☆☆(3/5) | 約148MB | ローカル |
| Whisper Small | ★★★☆☆(3/5) | ★★★★☆(3.8/5) | 約488MB | ローカル |
| Whisper Medium | ★★☆☆☆(2/5) | ★★★★☆(4.3/5) | 約1.5GB | ローカル |
| Whisper Large v3 | ★★☆☆☆(1.5/5) | ★★★★★(4.7/5) | 約3.1GB | ローカル |
| Whisper Large v3 Turbo | ★★★★☆(3.5/5) | ★★★★☆(4.2/5) | 約1.5GB | ローカル |
| Amical Cloud | ★★★★★(4.5/5) | ★★★★★(4.5/5) | ダウンロード不要 | Amicalのサーバー(クラウド) |
整形・言い換え機能(Formatting Alpha)に使うモデルで、ローカルならOllamaやOpen RouterなどのOpenAI互換ローカルサーバーを指定できます。クラウドモデル利用時はAmical CloudのAPIエンドポイントを経由して整形されます。
Amicalはアプリ自体が無料で、ローカルモデルのみを使う場合は完全無料です。クラウドモデル(Amical Cloud)を使う場合は、無料プランでも週2,000語までは無料で利用でき、上限を超えて使いたい場合は有料プランへのアップグレードが必要です。
| プラン | 料金 | クラウド音声入力の上限 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Free | $0/月 | 週2,000語まで | ローカル音声入力は無制限、カスタム辞書、AIフォーマット、100+言語 |
| Premium | $10/月 or $84/年 | 無制限 | Freeの全機能+共有辞書、チーム管理、新機能への優先アクセス |
| Enterprise | 個別見積り | 無制限 | 専用モデルホスティング、超低遅延、SSO/SAML、SOC2対応(対応中) |
主要な競合サービスと比べると、Amicalの立ち位置は次のようになります。2026年8月時点の各社公式サイト・公式Docsの情報をまとめました。
| サービス | 無料プランの範囲 | 有料プラン(個人向け・目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Amical | ローカル無制限+クラウド週2,000語 | Premium:$10/月(月払い)、$7/月(年払い・年額$84) | OSS・ローカル/クラウド選択式・完全無料運用も可能 |
| Wispr Flow | デスクトップ週2,000語(ソフトキャップ、上限5,000語)/iOS週1,000語(上限1,500語) | Pro:$15/月(月払い)、$12/月(年払い) Growth:$23/月〜(月払い)、$18/月〜(年払い) |
ノートテイカー機能、チーム管理が充実 |
| Aqua Voice | 買い切り1,000語(初回のみ、繰り返し付与なし) | Pro:$10/月(月払い)、$8/月(年払い・年額$96) Max:$30/月(月払い)、$24/月(年払い・年額$288) |
リアルタイムモード、独自の「Avalon」音声認識モデル |
| superwhisper | ローカルの小型Whisperモデル(Standard/Nano/Fast)は無制限利用可、クラウド・大型モデルは3,000語分のPro機能無料トライアルのみ | Pro:$8.49/月(月払い)、$84.99/年(年払い・月換算約$7.08)、$249.99(買い切り・生涯ライセンス) | 買い切り(Lifetime)プランがある点が独自 |
こうして比較すると、AmicalはOSSであること自体が最大の差別化要素であり、ローカルWhisperだけで完結させれば競合よりも明確に安く(無料で)運用できる点が強みです。クラウドモデルを常用したい場合でも、月額換算では競合の有料プランと同程度かやや安価な水準に収まっています。
Amicalのインストールから音声入力開始までの流れは、以下のとおりです(Windows / Macを想定)[^2][^3][^4]。

OSにあったインストーラーをダウンロードしてください。
Amical turns your voice into polished text with AI — open-source dictation for Mac, Windows, iOS & Android. Fast, accurate, context-aware, and private.

インストーラーを実行すると自動でインストールが始まり、完了するとアプリが起動します。

アプリ内の「設定 → AIモデル → 音声」を開き、使いたいモデルを選択します。
Ctrl+Winを長押しで音声入力任意の入力欄を選択した状態でCtrl+Winを長押しすると録音が開始します。キーを離すと録音が停止して音声が文字に起こされて入力欄に入力されます。
固有名詞(企業名・技術用語・製品名など)を含む文章が、モデルごとにどれだけ正確に変換されるかを検証しました。全モデルに同じ文章を読み上げて、出力結果をそのまま掲載します。
今回検証する文章は下記になります。
OpenAIのGPT-5.6 Sol、AnthropicのClaude Opus 5、GoogleのGemini 3.7 Flashに、それぞれCloudflare WorkersとNext.jsを組み合わせたブログを実装させて、生成されたコードの品質を比較します。
含まれる固有名詞・専門用語は「OpenAI」「GPT-5.6 Sol」「Anthropic」「Claude Opus 5」「Google」「Gemini 3.7 Flash」「Cloudflare Workers」「Next.js」の8点です。カスタムボキャブラリー(Vocabulary)機能には登録せず、各モデルの素の認識精度を比較しています。
オープン AIのGPT 5.6ソルアンソロピックの黒度オーパスファイブ。グーグルの地味に3.7フラッシュにそれぞれクラウドフレアワーカーズとネクストジェースを組み合わせたブログーズ装飾させて精裁されたコードの品質を比較します。
固有名詞は「Google」以外すべて誤変換。「実装」→「装飾」など一般語彙まで崩れ、文として成立していません。
オープンAIのGPT5.6thole, AnselpickのCroodeOpust5, Googleのジェミニン3.7フラッシュにそれぞれCloudFlairWalkersとネクストJSを組み合わせたブログを実装させて、生成されたコードの品質を比較します。
未知の固有名詞を英字っぽい造語(thole、Anselpickなど)で推測。判読は困難ですが、後半の一般語彙は完璧でした。
OpenAIのGPT 5.6ソル、AnthroPicのCloud Opus 5、GoogleのGemini 3.7 Flashに、それぞれクラウドフレアワーカーズとNexthJSを組み合わせたブログを実装させて生成されたコードの品質を比較します。
「OpenAI」「Gemini 3.7 Flash」は完全正解。「Claude」→「Cloud」、「Next.js」→「NexthJS」が惜しい誤り。
OpenAIのGPT5.6SOL、AnthroPicのCloudOpus 5、 GoogleのGemini 3.7Flashに、それぞれ、CloudFlareWorkersとNegst.jsを組み合わせたブログを実装させて、生成されたコードの品質を比較します。
「CloudFlareWorkers」のスペルは正確に。ただし「Claude」→「Cloud」の誤りはSmallと同様に継続しています。
OpenAIのGPT 5.6 Sol、AnthropicのCloud Opus 5、GoogleのGemini 3.7 Flashに、それぞれCloudflare WorkersとNext.jsを組み合わせたブログを実装させて、生成されたコードの品質を比較します。
8個中7個が完全正解と、ローカルモデル最高精度。唯一の誤りは「Claude」→「Cloud」のみでした。
オープンAIのGPT5.6ソルアンソロピックのクロードオーパス5Googleのジェミニ3.7フラッシュにそれぞれクラウドフレアワーカーズとNext.jsを組み合わせたブログを実装させて生成されたコードの品質を比較します
「クロードオーパス5」とClaudeを唯一カタカナ化で正解。ただし句読点が皆無で、単語の境界も一部消失しています。
OpenAIのGPT-5.6SOL、AnthropicのClaude Opus 5、GoogleのGemini 3.7 Flashに、それぞれCloudflare WorkersとNext.jsを組み合わせたブログを実装させて、生成されたコードの品質を比較します。
8個すべて完全正解。他モデルが揃って間違えた「Claude」も唯一正しく認識し、句読点も自然でした。
Amicalは、ローカルWhisperとクラウドモデル(Amical Cloud)を自由に切り替えられるオープンソースの音声入力アプリです。ローカル運用なら完全無料で使い続けられ、速度と精度のバランスを取りたい場合はAmical Cloudが有力な選択肢になります。
今回、企業名・モデル名・技術用語を含む固有名詞入りの文章で検証したところ、ローカルWhisper系(Small・Medium・Large v3)は揃って「Claude」を「Cloud」に誤変換しましたが、Amical Cloudだけが正確に認識し、句読点も含めて8個の固有名詞すべてを完全に言い当てました。速度重視のLarge v3 Turboは単語認識自体は良好でも句読点が崩れるなど、モデルごとに得意・不得意がはっきり分かれる結果となり、「想像以上に高速かつ高精度」という実感は今回の検証環境では裏付けられました。
一方で、SNS上には「ローカルのWhisper Large V3 Turboの方が良かった」という声もあり、結果は環境や発話内容によって変わり得ます。まずはFreeプランの範囲でローカルモデルとAmical Cloudの両方を試し、自分に合った使い方を見つけてみてください。